the 出汁3
未だに出汁の研究をしている。
昆布カツ節をいくら買って、作ったかも数しれず。
そんな中、これはと言える味噌汁が誕生した。
なずけて、「贅沢カジカ汁。」
ある日、いつものようにスーパーに行ってみると
なぜだかわからないが、鮮魚コーナーで足が止まった。
「これ、味噌汁に入れてみたらおいしんじゃね?」
それは、カジカだ。
なんの根拠もなく、頭に浮かんだ。
でも、カジカの味噌汁のつくり方は全くわからない。
そして、数日前の悪夢が甦る。
ストーリーはこんな感じだ。
まず刺身用のエビを買ってきて
これ入れたらおいしんじゃね?と思い
エビの頭を出汁に入れること数分。
出来上がってきたのは、生臭い味噌汁。
「なんだこりゃ~。」
こんなまずいもの、飲めたもんじゃない。
ジャバジャバ。
シンクに流し込んだ。
そんな数日前の思いが浮かんできが、
懲りずに、今度こそはと意気込む。
そんな思いで作り始めたカジカ汁。
まず、つくり方がわからない。
そこで、スーパーでカジカを手にしたとき、
一人の50代過ぎのおばちゃんと、私と目が合う。
そこで私は、失礼を承知で訪ねた。
「すいません、カジカの味噌汁作ったことはありますか?」
おばちゃんは、もちろんYES。
ホット胸をなで下ろした。
そこから、おばちゃんの講習は始まった。
まず、お湯を沸かし魚にまんべんなくお湯をかける。
この時に大事なのは、あまりかけすぎると身がボロボロになり
食べるところなくなるからね。
そうすると、臭みも消えてあとは味噌汁に入れるだけだよと
優しく教えてくれた。
これで、今日の味噌汁は完璧だと思い
カジカを握りしめながら、家に向かう。
かじか・かじか・かじか
カジカ、今おいしい味噌汁にしてやるからなと
叫びながら。
つづく